【格闘技の闇?】計量前の「水抜き」で数キロ落ちるからくりと、ダイエットには100%無関係な理由

Notes

格闘家が試合前の計量に向けて、わずか数日で5kg〜10kg近くも体重を落とす「水抜き」。 YouTubeやSNSなどで、アスリートが汗をダラダラ流しながら限界まで追い込まれている姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

「あんなに一気に体重が減るなら、自分も試してみたい!」 「短期間で痩せたいから水抜きダイエットってできないの?」

そう考える方もいるかもしれませんが、結論から言うと「水抜きはダイエットとは完全に別物であり、一般人のボディメイクには100%無意味かつ極めて危険」です。

今回は、格闘技界で主流となっている水抜きの仕組み(からくり)と、なぜダイエットには一切役に立たないのかを分かりやすく解説します。

1. 格闘技で主流の「水抜き」とは?そのからくり

まず、格闘技で行われる「水抜き」の基本的な仕組みを説明します。

人間の体の約60%は水分でできています。体重60kgの人であれば、約36kgが体内の水分(血液、体液、筋肉中の水分など)です。

水抜きとは、食事制限などで体脂肪を削りきった最終段階(計量の数日前〜当日)で、体内に残っている水分だけを極限まで排出させる手法です。

どうやって水分を抜いているのか?

  • ウォーター・ローディング:数日前から1日に5〜8リットル以上の大量の水を飲み、体に「水分を外に出すモード」を作った上で、直前にピタッと飲水を止めることで利尿作用を維持させる。
  • 発汗:半身浴、サウナ、サウナスーツを着込んでの運動により、皮下や筋肉から水分を汗として強制的に絞り出す。

こうすることで、体脂肪や筋肉の量は変えずに、水分だけの重さで一時的に3〜8kgほど体重を落とすことができます。

2. なぜ格闘家はそこまでして水抜きをするのか?

格闘技は「1グラムでも重い方が打撃力や組み技で有利になる」世界です。

  1. 普段の体脂肪を極限まで削る
  2. 計量直前に「水抜き」でさらに数キロ落として契約体重をクリアする
  3. 計量終了直後から、水分と電解質、炭水化物を大量に摂取して一気にリカバリー(体重を戻す)する

このように、試合当日には計量時よりもはるかに重い体重(リバウンドさせた状態)でリングに上がるために、リスクを冒して水抜きを行っています。

3. なぜ水抜きは「ダイエット」に100%無関係なのか?

「短期で体重が落ちるなら試してみたい」と思うかもしれませんが、ダイエット目的で水抜きを行うのは完全に間違いです。理由は明確に3つあります。

① 水を飲んだ瞬間に体重は元通りになる

水抜きで減っているのは脂肪ではなく「ただの水分」です。 500mlのペットボトル1本を飲めば、即座に体重は500g増えます。計量をパスするためだけの「一時的な数値の誤魔化し」に過ぎないため、脂肪を減らして体を引き締めたいというダイエットの目的とは根本的に異なります。

② 見た目が引き締まるわけではない(むしろ代謝が落ちて痩せにくくなる)

体内の水分が抜けると、筋肉のハリがなくなり、肌のツヤも失われます。 さらに、脱水状態になると血液がドロドロになって代謝が著しく低下します。人間の体が「危険状態」と判断するため、かえって脂肪を溜め込みやすく痩せにくい体質になってしまいます。

③ 命に関わる危険性(命がけのアスリート限定の手法)

過度な水抜きは、熱中症、腎不全、脳梗塞、心不全などを引き起こす非常に危険な行為です。 格闘家たちはトレーナーやドクターの管理のもと、命がけでミリ単位の調整を行っています。知識のない一般人が真似をすると、最悪の場合、命を落とす危険があります。

4. 本当のダイエットで落とすべきは「水分」ではなく「体脂肪」

体型を良くしたい、健康的に痩せたいと考えている方が減らすべきなのは、水分ではなく「体脂肪」です。

  • 水抜き:筋肉や血管から水分を抜く ➔ 一時的に数値が減るだけ(すぐ戻る・危険)
  • 正しいダイエット:食事改善と適度な運動 ➔ 体脂肪を減らす(見た目が変わりリバウンドしにくい)

1kgの体脂肪を減らすためには、約7,200kcalのアンダーカロリー(消費カロリー > 摂取カロリー)を作る必要があります。地道に感じるかもしれませんが、これこそが綺麗に痩せる唯一の近道です。

普段からしっかり水分(お水や麦茶など)を摂ることで、老廃物が排出され、代謝が上がり、結果として脂肪が燃焼しやすい体を作ることができます。

まとめ:水抜きはアスリートの特殊な技術。健康的なダイエットを!

格闘技の「水抜き」は、あくまで計量というルールをクリアし、試合を有利に進めるためにプロのアスリートがリスクを承知で行う特殊な調整法です。

日常のダイエットにおいて「汗をたくさんかいて体重を減らす」「水分を摂らない」という行為は、努力の方向性を間違えているどころか、健康を害する原因にしかなりません。

数字の上下に一喜一憂せず、しっかりと水分を補給しながら、健康的に体脂肪を削っていく正しいボディメイクを目指しましょう!

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